Dough.
2022/08/15
100年もの時を重ね、海を渡ってきたアメリカの銀貨。
生活の中で生き、多くの人の手を渡ってきたビンテージコインが、日本の職人の手仕事によりジュエリーへと形を変え、また新たなストーリーを紡いでいきます。
素材として使われているのは1964年までに鋳造されたアメリカのビンテージコイン。
古いものだと100年以上前に発行されたもので、現在は廃止されているため数に限りのある希少なもの。1枚1枚オリジナルの表情を持つコインを、叩いて伸ばして曲げて磨いて……。コインに刻まれていた文字や刻印はデザインの一部として昇華され、世界にひとつだけのジュエリーとして新たな命を吹き込まれます。
インスピレーションの源は、1970年代のアメリカの西海岸でヒッピーやアーティストたちの間でブームになっていたコインクラフト、そしてネイティブ・アメリカンたちがコインを溶かして必要なものを作り出していた時代のシンプルで力強いクリエイション。
ブランド名のDough.は、アメリカで日常的に使われる「お金」という意味のスラングでもあります。
組み合わせるパーツとして使われているのは、手仕事ならではの質感が味わい深いビンテージのベネチアンガラス。その歴史は古く、大航海時代はトレードビーズと呼ばれ、主にヨーロッパ人と世界中の先住民の間で貨幣のように扱われていたこともあるそう。
先住民たちは美しいガラスビーズをお守りのように身につけ、親から子へと大切に受け継いできました。その歴史的ルーツに魅せられたデザイナーが世界中を旅し、イタリア・ムラーノ島で出会った、1920年までに製造されたデッドストックのガラスビーズは、イタリアらしい美しい発色が特徴です。
アメリカのビンテージコインとイタリアのデッドストックビーズ。共通するのはヒストリカルな背景を含めた素材の美しさ。
それぞれがたどった軌跡を思い描きながら、ひとつひとつの物語を紡ぐように。古きよきものが纏う魅力を新しい形で現代に繋げます。